カラオケの採点システムには、表現力というチェック項目があります。
表現というと、感情を込め身振り手振りを使って歌を歌い上げるというイメージがあるかもしれません。しかし、カラオケの採点における表現力とは、歌い方の技術やテクニックのことを意味しているのです。
今回は、カラオケで高得点を取るコツや、表現力をアップさせるための練習方法について解説いたします。
もくじ
カラオケの表現力とは、抑揚やしゃくりをはじめとした技術のこと!
カラオケでは、正しい音程で歌うことが何よりも大切です。さらに、曲全体に表情をつける表現力も、うまく歌うための重要な要素になります。
たとえば、カラオケ機種DAMの採点では、表現力のチェック項目として抑揚やしゃくり、こぶし、フォールといったポイントが見られています。まずは、この4つのテクニックについて確認してみましょう。
1. 抑揚とは声の強弱で曲に表情をつけること
カラオケのときに、曲のすべての部分を同じような雰囲気で歌ってしまうと、抑揚や表情のない歌になってしまいます。
人と会話をするときには、声のトーンを上げたり話す速度を変えたりすることがありますが、カラオケの抑揚もこれとほぼ同じです。音量や音程を工夫したり、速度を意識したり、声質を変えたりすれば、曲の印象はガラリと変わるものです。
2. しゃくりとは、低い音から高い音へとしゃくり上げること
しゃくりとはその名の通り、しゃくり上げるような歌い方のことをいいます。
実際の音程よりも少し低い音で歌い始め、瞬間的に正しい音程にしゃくり上げるのがしゃくりのテクニックです。つながっている2つの音のうち2番目の音が低いときには、音階が途切れないようにしつつ軽くしゃくりを入れるときれいに聞こえます。
しゃくりを入れるときには、一つひとつの音が途切れないように滑らかにつないでいくのがポイントです。また、母音を意識してしゃくりの練習をするのも効果的です。
ただし、しゃくりを入れすぎると曲のテンポが乱れてしまうことがあります。あくまでテンポは崩さず、リズミカルに歌い上げるよう意識しましょう。
3. こぶしとは音程を上下させるテクニックのこと
こぶしとは、音程をごくわずかな時間で上下させるテクニックのことをいいます。
たとえば「は」と歌う場合、こぶしをつけると「はぁあ」といった発音になります。このとき、伸ばす「あ」の音を下げてから元の音程に戻すようにすると、うまくこぶしをつけられます。
こぶしは演歌歌手がよく使うテクニックですが、表現の幅を広げるためにぜひポップスにも取り入れましょう。
4. フォールとは伸ばす音を軽く下げる技術のこと
フォールとは、伸ばす音をわずかに下げるようにして歌うテクニックです。
フォールの技術を使うときには音をガクッと下げるのではなく、ほんの少しずつ滑らかに下げていきましょう。切なさや物悲しさ、色気といった表現をプラスするためにも、フォールを綺麗に使いこなしたいものです。
ただし、フォールは本来の音程から少し外すような技法なので、使いすぎると音がずれて聞こえてしまうことがあります。必要なポイントのみで無駄なくフォールを使うことが、点数をアップさせるためのコツといえます。
ロングトーンやビブラートといった技術も表現力に影響する!
カラオケ機種の「JOYSOUND」には、表現力という採点項目はありません。「JOYSOUND」の採点では、音程や安定感、抑揚、ビブラート、ロングトーン、テクニックといった項目がチェックされています。
この5つの要素のなかで表現が重視されるのは、抑揚とロングトーン、ビブラートの3項目です。抑揚はDAMの採点と同じようなイメージでつけていけば問題ありません。
ここからは、JOYSOUND独自のロングトーンやビブラートについて解説いたします。
1. ロングトーンとは一定の音階で声を長く出し続けること
カラオケにおけるロングトーンとは、声を同じ高さで長く出し続けることをいいます。音階を変化させずに、まっすぐな声を出し続けるのがロングトーンのコツです。
腹筋を使わずにロングトーンを出そうとすると、どうしても音階が揺らいでしまうものです。息を思い切り吸い込んでお腹から声を出すように心がければ、ロングトーンがうまくいきやすくなります。
2. ビブラートとは声を小刻みに上下させるテクニック
声に波をつけるようなイメージで上下させるテクニックをビブラートと呼びます。腹筋を使って声を出すようにすれば、伸ばす音を自在に揺らすことができるようになっていきます。
音を短く伸ばすときに瞬間的にビブラートをかければ、曲に表情が出やすくなります。また、ロングトーンでしっかりと音を伸ばしてからビブラートをかけ、そのまま音をスッと消すような技術も身につけておきたいものです。
カラオケの表現力と高得点を狙うために押さえておきたいポイント
表現力の要素のなかで、最もカラオケの採点に影響を与えるものは抑揚です。しゃくりやこぶしの十分な技術がない方でも、抑揚を意識すればかなりの高得点を狙うことができます。
カラオケで高得点を取るために、声の強弱や抑揚を意識してみましょう。また、以下のようなポイントに気をつけることも、高得点を狙うためのコツです。
1. 歌詞の出だしの部分を強調する
カラオケでは、フレーズの冒頭部分を強調して歌うとよいでしょう。出だしの音程やタイミングをぴったりと揃えてはっきりと強調するように歌うだけで、抑揚のついた綺麗な歌い方になります。
また、出だしを強調すれば歌詞がはっきりと聞こえやすくなり、メッセージが伝わりやすくなります。
2. マイクの持ち方や距離を変えてみる
歌うときにマイクを下げすぎてしまうと声が十分に拾われないため、十分な表現をしても点数が上がりにくくなってしまいます。
カラオケのマイクは口の真正面に置くようにしましょう。特に、盛り上がるサビ部分では十分にマイクに口を近づけ、はっきりとした発音で歌うのがポイントです。
ゆっくりした曲を歌うときや穏やかな部分を表現するときには、あえてマイクから少し口を離して歌うのも有効な方法です。マイクを近づけたり遠ざけたりといったコントロールを使えば、曲に抑揚が出やすくなります。
3. テクニックを入れ込みすぎない
抑揚やしゃくり、こぶし、フォール、ロングトーンやビブラートといったテクニックをマスターすればカラオケの点数はどんどん上がっていくものです。しかし、1曲の中にテクニックを入れ込みすぎると、音程がズレていると判定されて点数が下がってしまうことがあります。
高得点を狙いたいのなら、テクニックは適所で確実に入れ込むようにしましょう。目安としては、1曲のなかでしゃくりは10~15回程度、ビブラートは20回程度入れるのがおすすめです。
こぶしは音程のズレとして判定されやすいため1曲に3~5回、フォールも1~2回程度にしておくとよいでしょう。
表現力を身につけてカラオケで高得点を狙いましょう!
表現力を高めていけば曲に表情がつきやすくなり、カラオケの採点でも高得点がつきやすくなります。カラオケの時間を心から楽しむためにも、さまざまな表現技法をマスターしておきましょう。
また、安定感のある歌い方を心がけることも大切なポイントです。1曲のなかにあらゆる技術を適切に取り入れられるよう、練習を重ねていくのがおすすめです。