日常の中で地声とそうでない声を意識する機会はあまりありませんが、カラオケのときには地声と裏声を使い分けるのが一般的です。地声のみ、または裏声のみで歌うことももちろん可能ですが、曲調に応じて声を使い分けることができれば、歌唱力はグンとアップします。
今回は、カラオケの地声とはどのような声なのか、詳しく解説いたします。また、地声と裏声を使い分けるテクニックもご紹介いたします。
もくじ
カラオケの地声とはその人が持って生まれた声のこと
地声とは、その人が持って生まれた声のことをいいます。人と会話をするときや文章を朗読するときには、地声が使われるのが一般的です。
地声は比較的トーンが低く、声帯や胸元に響きやすいという特徴があります。また多くの場合、地声には張りや力強さがあります。
地声を使えば低い音を綺麗に響かせられます。その一方で、地声のみで高い音域を歌いこなすのはなかなか難しいものです。
カラオケのときに地声とは少し違う、歌うとき専用の声を出すという方もいます。また、カラオケで高音を綺麗に歌い上げたいときには、多くの人が裏声を使っています。
地声と裏声の発声方法や使う筋肉は異なる
カラオケの裏声とは、地声を裏返したような声のことをいいます。多くの人は、地声で出せない高い声を出そうとするときに、自然に裏声に切り替えて発声しています。
裏声と地声は、発声方法や使う筋肉が異なります。地声を出すときには声帯と声帯粘膜が共振して音を発しています。しかし、裏声に切り替えたときには声帯の筋肉の振動が停止し、声帯粘膜のみが振動した状態になるのです。
自然に話すときには喉にそれほど力は入りませんが、裏声を出すときには喉にグッと力が加わることがあります。これは、裏声を出すときに声帯の筋肉が振動しないため、力を入れて声帯粘膜を震わせる必要があるためです。
地声での発声や歌唱が苦手な人の特徴とは?
話し言葉の延長のようなイメージで歌を歌えば、地声での歌唱はそれほど難しいことではありません。しかし、部活や習いごとで合唱や声楽を専門的に学んでいた人は、地声での歌唱ができないことがあります。
合唱や声楽では、低い声であっても裏声で発声するような練習を行います。これは、地声と裏声を切り替えるときに裏返ったり音が途切れたりするのを防ぐためです。
この練習を続けていた人は、しゃべり声の延長の地声で歌を歌おうとしても、なかなかうまく歌えなくないのです。
カラオケを地声で歌う方法は?効果的な地声の使い方2つ
カラオケでは、できるだけ地声で歌えるように練習するのがおすすめです。
地声の特徴は人それぞれ異なるため、地声で歌うことができればその人の個性を表現できます。また、地声の発声には喉に負担がかかりにくいというメリットもあります。
とはいえ、地声で歌うのがあまり得意ではないという方もいるものです。ここからは、地声を使った歌唱のコツをご説明いたします。
1. 会話をするイメージで歌う
歌を歌おうという意識を持つと地声が出にくくなってしまいます。地声でカラオケを歌いたいのなら、会話の延長のイメージで声を出してみましょう。
まずは、歌いたい曲の歌詞を低い声で朗読してみます。この声を歌声に変えていけば、地声で歌いこなすことができます。また、人に語りかけるようなイメージをもち、話し声を歌声に変化させていくのもよいでしょう。
2. 声帯を閉じるようにして歌う
地声を出すときには声帯が自然と閉じた状態になります。地声がうまく出せないときには、少し息を止めて声帯が閉じる感覚をつかんでみましょう。
声帯が閉じていることが意識できたら、その状態で低い声を出していきます。このとき出る声はエッジボイスまたはボーカルフライと呼ばれる、ザラザラとしただみ声です。
あとは、エッジボイスを出しながら声に音程をつけていきましょう。
カラオケの地声と裏声を使い分ける4つのテクニック
カラオケでは地声だけで歌ったり、裏声だけで歌ったりすることももちろん可能です。
しかし、地声と裏声の両方を使いこなすことができれば、歌える曲のバリエーションが一気に増えます。また、声の出し方を自在に変えられるようになれば、歌唱力もどんどんアップしていきます。
ここからは、地声と裏声を使い分けながら歌うテクニックをご紹介いたします。
1. ミックスボイスをマスターする
地声と裏声を自在に使い分けたいのであれば、ミックスボイスのテクニックはぜひマスターしておきましょう。
ミックスボイスとは、地声の響きや力強さをキープしたまま裏声の高音域に移行するテクニックです。地声と裏声を切り替えることなく音域を自在に行き来できるため、マスターすれば歌唱の幅が広がりやすくなります。
ミックスボイスは、地声の発声方法に少しずつ裏声の発声方法をプラスしていくことで習得できます。地声を発声し、音程をゆっくりと上げながら裏声の発声方法に切り替えていく練習をすれば、ミックスボイスが身につきやすくなります。
2. 地声に息を含ませて裏声にするテクニックをマスターする
まずは地声で「はー」と発音してみましょう。あくびをするようなイメージで地声を出せば、口腔内や鼻に声が共鳴するのが実感できます。
この発声ができたら、声に吐息を混ぜていきます。カサカサとした柔らかい声になるよう息を混ぜていくと、声帯がゆるむのを実感できます。
あとは、この声で地声から裏声へ、裏声から地声へと声を滑らせるような練習を行いましょう。この練習を何度もするうちに、地声と裏声を自在に使い分けられるようになっていきます。
3. 声をサイレンのようにつなげてみる
低い音と高い音をサイレンのようにつなげて出す練習をすれば、地声と裏声の使い分けができるようになります。
「ア」の音を地声で出し、サイレンの響きのように音階をアップさせていきましょう。うまく上昇させられないときには、裏声で高音を出してから低い音まで下降させる方法で練習しても問題ありません。
お腹からしっかりと声を出して音をスムーズにつなげることが、効果的な練習のポイントです。
4. 地声と裏声を瞬発的に出せるよう練習する
音域に応じて地声と裏声を瞬間的に切り替える歌唱法にもチャレンジしてみましょう。地声と裏声を交互に出す練習をしてコツをつかめば、音域が広い曲もスマートに歌えるようになります。
まずは中央のドの音を4拍発声し、1オクターブ上のドの音に切り替えましょう。このとき、低い音は地声で、高い音は裏声で出すようにします。
あとは音を半音ずつ上げ、低い音と高い音を交互に出して発声練習をしていきましょう。
低音と高音を即時に切り替える練習をすれば地声と裏声の発声の違いを把握しやすくなります。またこの練習には、音感が身につきやすくなるという嬉しいメリットもあります。
人の声にはそれぞれ特質があり、裏声で歌うのが苦手という人もいれば、地声での歌い方がわからないという人もいます。とはいえ、正しい方法で練習すれば、地声と裏声を使い分けられるようになるのであまり心配はいりません。
ミックスボイスをマスターすれば低音と高音が入り混じった曲もスマートに歌えるようになります。
歌唱力をアップさせさまざまな歌にチャレンジするためにも、地声と裏声それぞれを使い分けて歌う練習をしてみましょう。
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